半年に1回発行しているニュースレターNo.45「リズミック」を会員限定ライブラリーにアップしました。
昨今、「個別最適化」という言葉が取り沙汰され、「自由進度学習」に大きな注目が集まっています。 また、イエナプランに集まる注目は引き続き高まっており、学校・自治体単位での取り組みも増えてきました。 こうした実践には、学校関係者のみならず様々な立場の方が注目し、訪問客が絶えないようです。私たちは、こうした試みをイエナプランの目指す理想の人間と社会の実現に近づく、大きな前進と捉えています。
他方、こうした時流を感じつつも、私たちは時に立ち止まり、本質を問い直すことに努めてもいます。ペーターセンは自身の取り組みを「人間の学校」と呼びました。「個別最適化」の学びを、ほんとうに「人間」を育むものにするために、私たちはイエナプランから何を学ぶことができるだろう?
今号のテーマ < リズミック > も、そうした対話の中から浮かび上がってきたものです。
< リズミック > ...? それは音楽の授業のことですか? いえ、そうではなくイエナプランの日常全てに通じる話なのですが、確かに、それ(音楽)と少し似ているのかもしれません。
「緊張と弛緩」
「落ち着きと動きのリズム」
「良い抑揚」
『イエナプラン 共に生きることを学ぶ学校』には、< リズミック > に関してこうした言葉が使われています。
「週計画のフォーマットは?」
「学習目標(めあてみたいなもの)はどうしてるの?」
そうしたカタチを必要とするのは自然なことですし、私たちもこうしたことに関心がない訳ではありません。ただ、オランダでも日本でも、イエナプランナーはちょっとこだわり派なのかもしれません。私たちは、そうした表面的で目に見えるものよりも、目の前の子どもの心の動きやグループのダイナミズムといった、まさに生きたもの、目に見えないものを感じ、大事にしていきたいのです。
ー ほんとうに大切なことは目に見えないんだよ ー (『星の王子様』 サン=テグジュペリ)
ペーターセンが言ったように、学校は「人間」が育つ場所であるべきであり、 タスクを効率的にこなすだけの「機械」を量産する場であってはならないのです。 従来の学校・授業観の問い直しが全国的に広まる昨今、私たちが < リズミック > というキーワードに焦点を当てることは、時機に適っていると思います。
今号もどうぞお楽しみください。