イエナプランスクール認定要件と協会民主化についてのお知らせ 日本イエナプラン教育協会代表 久保礼子 早いもので本協会が一般社団法人となって3年半が経ちます。
その間、日本の社会も徐々に変化し、協会の活動も次のステップを迎える時期にきたことを感じております。 そこで、理事・事務局で話し合いを重ね、さらに支部代表の方々のご意見も参考にさせていただきながら、
次の二つのことを決定いたしました。ご報告させていただきます。
1.日本イエナプランスクール認定要件の設定
現在⻑野県佐久穂町において、2019年4月開校に向けた、しなのイエナプランスクール大日向小学校の
準備が進められております。
それに先立ち、今後も各地で同じような動きが起きてくることも考慮して、
イエナプランスクールとしての認定要件を設定することが必要だと考えました。
特別顧問であるリヒテルズさんのご意見も伺いながら、理事会において討議決定したのが以下の項目です。
【 日本イエナプランスクール認定要件 】
(1)20の原則とコアクオリティが学校要覧に明記されており、教育計画に反映されていること。 (2)日本イエナプラン教育専門教員資格(注1)を持つ者が1名以上、
かつオランダ短期研修(注2)修了者が2名以上組織にいること。
ただし、専門教員資格を持つ者がいない場合、オランダ短期研修修了者が3名以上いて、
そのうち 2名が日本イエナプラン教育協会が主催する研究実践発表会において実践発表を行い、
協会特別顧問 及び理事の審査承認を得ることができれば、本要件を満たす。
(3)保護者の学校運営への参加の仕組みが公開されていること。 (4)日本イエナプラン教育協会の法人会員であること。(公立教育機関を除く。) (5)日本イエナプランスクール連合会(注3)に参加登録すること。 ※会員から特に見直しの要望がでない限り5年間はこの方針を維持する。 ※(注1)日本イエナプラン教育専門教員資格とは......3ヶ月間のオランダ研修を終了し、
かつ協会が主催する研究実践発表会で日本の教育現場での実践(もしくは日本の教育実践に関連づけた研究) の
発表を行い、日本イエナプラン教育協会特別顧問及び理事の審査で承認される資格である。
今後、協会は、日本国内でもイエナプラン教育専門教員資格が取得できるよう、環境を整えることを目指す。 ※(注2)オランダ短期研修とは......毎年、春と夏に、オランダで行われる1週間から2週間の研修をさす。 (2019年より春季研修は2週間に拡大される予定) ※(注3)日本イエナプランスクール連合会とは......日本イエナプランスクール認定校、協会理事、協会事務局からなり、
認定校が主体となって運営する研究組織。
2.協会組織⺠主化にむけて これまで、任意団体の時から協会の運営に関わってきたメンバーが、理事及び事務局を務めてきました。
小さな組織でもあり、全員手弁当での、また仕事や家族の事情をお互いに配慮しあって何とかやりくりしていく、
そんな10年間だったと思います。 しかし、会員が増え、イエナプラン教育に対する関心も広がってきた今、組織としての基盤をさらに固め、
活動規模を広げていく時期にきていると考えました。 そのためにまず、理事選出をより見えるものにして、広く多くの方が協会運営に関わることができるようにすることが
重要であると考えます。
1に挙げたイエナプランスクールの認定要件の決定や、日本イエナプラン教育専門教員の承認は、
⺠主的な理事選出の裏付けなくしてはできないことだと思っています。
また、理事選出に会員の皆さんが関心を持っていただくことで、日本イエナプラン教育協会が、
会員によってより主体的に参加運営される学びの場となると考えています。 そこで、以下の要領で「理事を選挙制にする」ことを決定いたしました。
理事定員 4人~6人 理事任期 4年(引き継ぎをスムースにするため2年ごとに半数ずつ交代する。) (2019年第1回選挙は、現理事が2名残留した上で行う。) 代表理事 新理事の合意で選出 被選挙権 協会正会員であること
選挙権 協会正会員であること
事務局 理事が事務局を兼ねる。
さらに、理事会にて理事以外のメンバーを選出することができる。
スケジュール 2018年 3月 ニュースレター発行。⺠主化について会員に周知する。 正会員募集開始
7月 全国大会にて会員へさらなる周知をすすめる。 2019年 1月 4月 理事選公示、立候補者募集(理事立候補への想いの表明) 5月 理事選挙(ネット投票)、新理事会にて代表を選出 6月 総会にて承認の上、新体制スタート ※年会費 正会員5,000円 賛助会員3,000円 法人会員 30,000円 とする。 (2018年4月以降の更新時より)
これまでも会員の皆様の支えがあってやってくることができました。 今回のような変革を目指すことができるのも、協会が少しずつ成⻑をしていっている証だと思っています。 そしてイエナプラン教育を貫く人間観、社会観、教育観は普遍的であり、
私たちが絶えず目指していくものであることには、今後も何も変わりはありません。
これからも、この協会という場で互いに学びあい、日本の公教育に変化をもたらすうねりを、
会員の皆様と、共に起こしていきたいと思っています。
どうぞ皆様のご協力を今後ともよろしくお願い申し上げます。
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